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自分のことにさえ執着の無い俺には、あの目は強烈過ぎた。
たかが花に
たかが猫に
どうして、あんなに真っ直ぐな思いを向けられるのか理解できなかった。
それなのに、あれから俺の仕事の手が著しく進んだのは得体の知れない感情を見つけたから。
今まで俺が書いてきた作品の登場人物は感情の起伏に乏しいものばかりで、それ故に淡々と進むストーリーが『宮城壱琉』の色だったはず。
それが、なんだ?
今さっき書き上げたのは喜怒哀楽を持ち合わせた人間らしい人間。
俺自身が変わってしまう気がした。
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