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重い……
腹部に感じた僅かな重量感で目が覚める。
少しだけ体を起こすと重みが消えた。
寝ぼけ眼を擦りながら眼鏡をかけると、黒猫が俺の顔をじっと見上げていた。
「お前、どっから入ってきたんだよ……」
寝るときだけは寝室には入れないようにしていたのに。
尻尾をゆらゆらと揺らしながらドアへと向かう黒猫を目で追うと、ドアの隙間からひょっこりと顔を出した人物に心臓が跳ねた。
「おはようございますっ」
あ、あぁ……そうか。
こいつ、いたんだった……
朝から鬱陶しいくらいの笑顔。
低血圧で寝起き最悪の俺とのギャップは果てしない。
「勝手に何してんの?」
寝起きで声が上手く出ない。
「寝起きドッキリです」
鍋の1つでも投げつけてやりたくなった。
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