紫陽花の咲く庭で……

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「悪いけど、俺朝食いらないから」 ダイニングテーブルに並べられたザ・日本の朝食。 白米を盛った茶碗を運んで来ていた咲島の動きが止まる。 「いつも……ですか?」 「あぁ。まともに食べるのは夜だけだから昼飯もいらない」 信じられない、とでも言いたげな咲島の前を通り過ぎてソファに座り、新聞を広げた。 せっかく作ったものを無下にされて腹でも立てたのか、咲島は何も言わずにテーブルの上を片付け始めた。 カチャカチャと鳴る皿の音にも俺の良心は全く痛まない。 ここでの仕事に根を上げるのも時間の問題だろう。 それまで当たり障りなく、やり過ごせればいいだけのことだ。
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