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書斎を後にし、リビングへと続く廊下を歩くと、どこからともなく足元にすり寄ってきた黒猫。
リビングのドアを少し開けただけで、体を中へと滑り込ませた。
遅ればせながらリビングへ入ると、その黒猫は俺を見上げながら小さく鳴いた。
それに構わず、書斎から持ってきた空のコーヒーカップをキッチンへと置きに行く。
変わりに冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを片手にリビングへと戻ると、雨上がりの陽射しがキラキラと輝いて、窓の外を眺めている黒猫に注がれていた。
何度も鳴き声を発する黒猫の視線の先に何があるのかと気になって、ミネラルウォーターを一口だけ飲んで窓辺へと足を進めた。
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