紫陽花の咲く庭で……

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「私みたいなのが、ここにいたらダメだから……」 「は?何言ってんの?」 咲島は俺の手の下から自分の拳を引き抜いて胸に当てた。 「もう2度と壊さないって誓ったんです」 「何を?」 「それなのに私は……自ら望んでしまったんっ……」 会話として成立しないまま、咲島の声が詰まった。 どれだけ時間がかかってもいい。 その続きを聞かせろ。 いつまでも待つから。
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