紫陽花の咲く庭で……

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「宮城さん……と広美さんが……」 「俺と広美がどうした?」 本当は彼女が何を言いたかったのか分かっていたけれど、もう少しだけ心の中を見せてほしかった。 「すごく……綺麗だったから」 「綺麗?」 「一緒にいることが当たり前みたいな……」 「自分の居場所は無いって思ったのか?」 声を殺しながら肩を震わせる咲島の首はなかなか動かない。 怖がらなくていいから。 「正直に言え」 「それは誤解だ」と訂正するのは簡単だ。 だけど、今の咲島に必要なのはそんなことじゃない。 たとえ、それが自己中心的な願望であったとしても。 それはここにあるんだ、と教えてやること。 それは俺の役目だと思いたい。 咲島の頭が僅かに縦に動いた……
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