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ベッドの上。
壁にもたれて後ろから紫をシーツごと抱きしめて、全ての糸を繋げていく。
「広美とは大学の同期なんだよ」
「へっ?」
「お互いに本好きが高じてつるむようになっただけ」
「そうなんだ……。私、てっきり……」
「あいつ、もうすぐ結婚するし」
「えっ!?」
急に振り向いた紫の髪が顔を叩いていった。
「そんなに意外か?まぁ、あれだけガサツな女に貰い手があったことは確かにスゴいとは思うけど」
「そ、そういう意味じゃないですよっ」
「分かった、分かった」
慌てる紫を宥めて、彼女を堂々と感じていられる現実に酔いしれる。
「相手の人、宮城さんも知ってるんですか?」
他意の無い紫の質問に少しだけ動揺する心。
だけど、俺が紫のことを何でも知りたいように、彼女にも俺のことを知っていて欲しかった。
俺は封印を解こうと決めた。
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