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「朝倉ォォおおおオッ!!なぁァあァァァめぇええェェるぅぅぅなああぁぁぁッッ!!!!」
しかし直隆に対して何人もの馬廻衆が首を狙ったが、咆哮と共に一網打尽にしてみせる。
この人とは思えないほどの豪傑ぶりに、驚いてしまい思わず距離をとってしまう。
「鬼……否、あれが真の兵という姿か」
「俺たちがやっぞッ!!付いて来いや、小平太!!重休!!」
だが馬廻衆とて全員が一歩さがった訳ではなく、毛利良勝、岩室重休、服部小平太の三人が意気揚々と飛び出していく。
まず小平太が槍を伸ばし、直隆は太郎太刀を引き戻して弾き返す。しかし体中撃たれた傷と疲労が重なってしまい動きも若干ぎこちなくもあった。
そして立て続けに小平太の背に姿を隠していた重休が火縄銃を構えており、二人は入れ替わり発砲する。
放たれた鉛球は直隆の手の甲を撃ち抜いて、その反動で太郎太刀を放してしまう。更に続けざまにすかさず良勝が刀を引き抜いて迫っており、胴に一閃を断ちいれた。
「手ごたえ十二分……だってのに、何で倒れねぇんだよ!!」
しかし切られた直隆は倒れる処か微動だにせず、眉間により一層深い皺を刻み鋭い眼つきで依然として信長を睨み付けている。そして直隆は良勝を殴り飛ばして、また歩み出して一歩、また一歩と踏み出し始めた。
「痛ってぇな!!信長様にこれ以上近づけるな、止めろ!!」
鼻血を出しながら叫ぶ良勝に反応して小平太も槍を振るうが、直隆は撃ち抜かれて血に塗れた手で掴み取って、握り潰し圧し折ってしまう。
そして折った槍を重休に振り投げて、彼の手に持っていた火縄銃を射抜き壊した。
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