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☆
家に帰り、
熱い湯に浸かりながら、今日起きた出来事を思い返した。
途端に震えはじめる身体。
阿部さんの行動はどこか嘘めいて感じて、一体何をしたいのかが見えなかった。
本当に私が欲しいと思っているのか、
それとも、一時の抱きたい女が必要なだけなのか。
それさえも判らない。
どちらが本心かなんて、実際はどうでもいい。
今、好きなのは小栗で、これからの未来を創りたいのも彼とだ。
今の幸せを、手放したくなんか無い。
――― 守らなくちゃ。自分と小栗との未来を...。
ポンっと、小さく電子的な音が、バスルームの外から響いた。
先ほど電源をオンにしたラップトップPCから放たれる、
スカイプの受信音。
慌ててバスタブから出て、小さなコマンドをクリックした。
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