キスフレ2nd Vol.10

38/38
1518人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
☆ 家に帰り、 熱い湯に浸かりながら、今日起きた出来事を思い返した。 途端に震えはじめる身体。 阿部さんの行動はどこか嘘めいて感じて、一体何をしたいのかが見えなかった。 本当に私が欲しいと思っているのか、 それとも、一時の抱きたい女が必要なだけなのか。 それさえも判らない。 どちらが本心かなんて、実際はどうでもいい。 今、好きなのは小栗で、これからの未来を創りたいのも彼とだ。 今の幸せを、手放したくなんか無い。 ――― 守らなくちゃ。自分と小栗との未来を...。 ポンっと、小さく電子的な音が、バスルームの外から響いた。 先ほど電源をオンにしたラップトップPCから放たれる、 スカイプの受信音。 慌ててバスタブから出て、小さなコマンドをクリックした。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!