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土曜の朝はホテルのラウンジで朝食をすませた。
美緒を寮へ送る車内で、次に会えるのはいつか分からないことを言っておく。
言った後で、昨日会った時にも同じことを言ったのを思い出した。
「ほんとに、忙しいんだね。
無理しないでね」
昨日聞いたよ、とは言わず、美緒はさらりと返してくれる。
忘れているのか、分かっていて知らないふりをしたのかどちらだろう。
態度は常に控えめながら、美緒は素直で愛らしい。
くるくると表情を変える真紀とはまた別の可愛らしさがある。
そんなことを再認識するたび、苦味が込み上げてくるようだ。
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