#1 鍋を年中おいしく感じる気がしたら負け

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「つか、雑炊するんだろ?米は?」 「あ、やべ、炊いてねぇや」 「間抜けよねえ、相変わらず」 「ホントにな」 マリーとルイージが、ため息をつきながら哀れみの目を向けてくる事も毎度であり、こいつらをひっぱたくのも毎度のことだ。 「あ、私がご飯炊くよ」 「見ろよ姫さんの尽きることの無い優しさを。お前らに尽きることの無いのは不満だけだよ」 「んだとごルルゥアアア!」 「ついでにもう一瓶開けるかなあ」 叫ぶ筋肉シスターを無視し、台所へと向かう。 戸棚から埃を被った酒瓶を引っ張りだしていると姫さんが計量カップを使って米の量を量っている最中だった。 「三合でいいよね?」 振り向き様に姫が聞いてくる。 うむ。相変わらずかわいい。 「ん?いいんじゃね?」 酒瓶の埃を拭き取りながらそう返す。
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