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「小梅、小梅」
「ん、あぁごめんお祖父ちゃん!! なに?」
「いや、呆けておるようだったから声をかけただけじゃ……。
さっきの申し出はありがたいが他の輩に見られると厄介じゃからのぉ、
お前はゆっくり朝飯でも食って学校の準備をしておきなさい」
後、孝虎のアホにもちゃんと食わせるんじゃぞーなんて言ってお祖父ちゃんはゆっくり玄関の方へ歩いて行ってしまった。
見送ってからハッと気付く。孝ちゃんは目を離した隙にすぐ寝てしまうんだった。
洗面所の前で立って寝ているなんていうのもしょっちゅうだ、また寝ているんじゃないかと急いで洗面所へ向かう。
「孝ちゃーん!! ちゃんと起きてるー!?」
「っ!! お、起きてる……ぜ」
「……今起きたって目しながら親指立てられても説得力の欠片もない」
「……仕方ねぇだろ、眠いもんは眠いんだ」
「そんなんだから毎回遅刻なんだよ、ほら早く歯磨いて!!
お祖母ちゃんが御飯作ってくれてるって!!」
「早く言えよ、飯食うの楽しみなんだから!!」
めーしめーし!!なんて楽しそうにしながらすごいスピードで歯を磨き目を輝かせながら顔を洗い、さっさと持ち前の身体能力でリビングへと走り去っていった。
まぁ彼にすれば今の動きも少し早く手足を動かした程度なのだろうけど……。
いやでも目ぇ開けながら顔洗うやつ初めてみたよ私。
はははっと乾いた笑い声を上げながら私もリビングへ移動した。
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