第1章

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はっはっは!!と豪快に笑う孝ちゃんを横目で見つつ自分もご飯に箸をつける。 美味しいのは確かだしたくさん食べるのはいいけど、おかわりが多いせいで遅刻することもある、それだけはやめてほしい。 あと口の端についてる米粒を取れ、後でカピカピになるんだからっ!! 「ん、ごちそうさまでした!! お皿水に漬けとくね」 「えぇ、ありがとう小梅ちゃん」 「孝ちゃん、それ最後のおかわりだからね!! それ食べたら準備してよ?」 「おー、わはっへふ!!」 「後、今日寝坊した罰で自転車ニケツして行ってねー」 じゃあまたあとでと踵を返し部屋へ向かう途中、それ毎回だろーーー!!と叫ばれたが知らない。寝過ぎた孝ちゃんが悪い。 あ、自転車のニケツは交通法違反だったか……まぁ見つからなければいいということにしよう。 他の人は真似しないように、とは言えみんなしていると思うが。 さっさと着替えて軽く身なりを整え、朝日が差し込む窓に向かって 「何事も起きませんように!!」 そうお願いする。 これは私が学校に通い始めてから毎日欠かさずやってるオマジナイ。 嫌なことが起きないように、能力がバレてしまわないように。 気休めでもこうすると少し心持ちが良くなる気がするのだ。 よしっと気合を入れ鞄を持ち玄関へと急いだ。 「あれ、今日は孝ちゃんの方が早かったか……いつもは遅いのにねぇ」 「まぁな、たまにはこーゆーこともあるんだよ」 気まずそうに顔を背ける孝ちゃんを見て思う、たまにじゃなくていつもになればいいのに。 そうすれば一緒に学校にいけるしちゃんと出席したかどうかも確認できるからね。 別に私が孝ちゃんにベッタリだとかそういうんではない!! 断じて!!
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