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――カランカランとドアベ
ルが鳴る。マスターに続いて
私が店に入ると、それは目の
前に飛び込んできた。
「いらしゃ――牧村さん!」
来客が私と知ると彼は笑顔
を輝かせ、まるで羽根が生え
たかのような身軽さで私の前
に駆け寄ってきたのだ。
「う……」
彼の周りだけ明るく見える。
桜の花弁が私と彼を包むよう
に舞っている――
やはり私はどうかしてしま
ったようだ。
この瞬間、何もかもがどう
でもよくなってしまったのだ。
桜が舞う光の中で、君が私
に笑いかけている。
それを愛らしいと思うのだ
から、もう観念するしかない。
これは“恋”だ。私は君に
恋をしてしまったのだ――
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