春恋桜歌

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   (ヤバい、ヤバいヤバい!死  にそうっ)   純平は上手く息が出来ずに  呼吸が荒くなってしまう。苦  しくて、苦しくて――  「はァッ、まき……むら……」   放して欲しいと懇願するつ  もりで首を捻る。  「ッ!――純平君ッ」   顔を向けた純平は瞳を潤ま  せ、熱に熟れた頬で、いつも  以上に鮮やかに紅を差した唇  から色めいた息を吐いた……  その表情は、牧村を煽るには  充分過ぎるものであった――   純平の腰と腕に手をかけて  無抵抗の体を反転させた。  「あっ――んッ!?」   クルリと回されたことに驚  く暇もなく、長身の牧村から  噛み付くように唇を重ねられ  た。   ただでさえ息が出来ないの  に!と、純平は肩を押し返そ  うと手を上げたが、それより  早く牧村の手が、腕が、純平  の逃げる後頭部と腰を引き寄  せた。
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