1907人が本棚に入れています
本棚に追加
「――ふっ、ううっ」
「そんなに泣くようなことじ
ゃないから、落ち着きなさい」
よしよしと頭を撫でるが、
純平は納得できずに首を振る。
「俺、俺がするって言ったの
に、うっ、なんにもさせてく
、っふ、くれないし」
子供のように泣きじゃくる
様に、不謹慎にも可愛く思え
てくる。牧村は純平の肩を抱
いて引き寄せると、両膝の下
に腕を入れて、自分の膝の上
に座らせた。
純平の泣き顔を覗き込み、
濡れた手で涙を拭ってやりな
がら、困り果てた様子で笑う。
「んー……フフッ。だって純
平君に触れられたら、治まり
そうになかったからね」
「え?」
ようやく牧村の顔を見た純
平は、照れくさそうに頬を赤
らめる牧村に戸惑う。
最初のコメントを投稿しよう!