春恋桜歌

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   「ごめんね?自分でも驚いた  よ。純平君が可愛い過ぎて…  …大きくなり過ぎちゃった」  「お、大き……っ」   照れ隠しで茶目っ気を出し  て言う牧村に、何が?と野暮  なことは聞き返さなかったが、  純平はあの時に見た牧村の体  を思い出して顔を真っ赤に染  めた。  「フフッ。初めてであれは無  理だよ。だから、謝るなら私  の方。ごめんね、痛い思いさ  せて」   お詫びとばかりに純平の頬  に鼻先を擦り寄せてから、口  付ける。   熱い頬に当たる柔らかい唇  にドキドキしながら、純平は  必死で考えた。  「そ、そうなのかな?でも、  ちゃんとほぐしてくれたワケ  だし、やっぱり俺が我慢すれ  ば――」  「違うよ。俺、じゃなく俺達」  「俺……達?」  「うん。二人で失敗したんだ  から、“俺達”だよ。純平君  だけが我慢すれば良いってこ  とじゃないさ」
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