春恋桜歌

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   「う……なにその顔……もぅ」   大好きな微笑みを見せられ  て、純平は恥ずかしくなる。   牧村に背中を向けて膝を抱  えて小さくなると、お湯の中  でブクブクと息を吐いた。  「フフッ。“もう”は私の台  詞。君が可愛い過ぎて困って  てしまうよ、もう」   純平を包むように抱き締め  て、先程つけてしまった肩の  赤いシミの上に優しく口付け  る。  「可愛くない」  「可愛いよ」  「甘い台詞禁止」  「君にだけだよ」  「……でも禁止」  「嫌です」  「なっ!?」   唇がうなじに移り、純平は  逃げるように牧村から離れた。
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