春恋桜歌

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   「もっと言いたい」  「だ、ダメ!」  「純平君のね、小さい耳が好  きだよ」  「き、聞きたくない!」  「腰のラインが綺麗で、つい  見惚れてしまうんだ」  「牧村さんっ!」  「君に呼ばれるとドキドキす  る」  「うッ!う~」  「そうやって唇噛む仕草も、  可愛いよ」  「もう黙ってよっ!!」  「なら、黙らせてしまえばい  いと思うよ?」   品良く微笑む口元に純平の  手を運んで口付ける。  「口を塞ぐ方法なら、いくら  でもあるだろう?」   細めた眼差しに誘惑の色を  込めた。純平から触れて欲し  い。そういう願いも込めてい  た。
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