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けれど青海さんは
その笑みを崩さないまま
私に歩み寄ると、
ポンポンと頭を撫で
まるで言い聞かせるように
私と目線の高さを合わせる。
「秋人さんも絵里も…
きっと君と八神君の
幸せを願っていると
俺は思う。
だから必ず幸せになって。
もう二度と八神君の手を
離しちゃダメだよ」
「…青海さん…」
「さよなら、高野さん」
静かに瞼を伏せた青海さんは
再び私に背中を向けると
エントランスへと歩みを
進めて行く。
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