記憶

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小田とマリアが出て行った後、 全身から力が 抜けてしまったかのように 俺は自分のデスクに突っ伏した。 頭に一気に血が登ったのは 何年ぶりだったろう。 ガキの頃から俺は 曲がった事が大嫌いで よく喧嘩をした。 けれど生きるためには 屈折した世間に自分を 順応させなければいけなくて 戸惑う俺に筧さんは言った。 『世の中綺麗ごとだけじゃ 生きて行けねぇんだよ。 お前の親だって お前を守るために 数えきれないほど その手を汚して来たんだ』
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