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「いや、高野さんも
大変だったんだし。
それより少しは落ち着いた?」
「…はい」
微かに曇ってしまった
自分の表情にハッとして
慌てて青海さんに笑顔を
向けた時。
それまで笑顔だった
青海さんの表情までが
厳しく変化した。
「塔子さんも拘留されたんだ。
だけどね、これで良かったって
俺は思ってる。
彼女の依存症も、
これできっと治るんじゃ
ないかなって思うし…
何よりもあの父親から
今度こそ離れられるからね」
そう言いながらも
青海さんは自分の拳を
グッと握りしめた。
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