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episode 120 リトル・クーデター
翌朝は晴天。
何事もなかったように
船の中は華やかで――。
「Hi!」
「What's up?」
「Nothin' much」
僕だって何にもなかった顔して
行きかう人と笑顔を交わす。
朝食の席に向かうとダイニングの入口。
「ミチルくん」
棒のように立ち尽くす
小さな執事見習いの姿があった。
「和樹坊ちゃん……!」
僕の声にあからさま驚いて飛び上がる。
「ん?」
見れば視線の先。
これまた昨夜の騒動は
悪い夢だと言わんばかり。
征司と九条さんはすでに
爽やかなカジュアルスーツを着込んで。
「ああ、あれね」
同じテーブルに肩を並べ
モーニング・コーヒーを啜っている。
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