episode 120  リトル・クーデター

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「あ、僕がお注ぎしますから」 見かねて手を出した満。 「――ちょっと何してるのよ!」 「ああ、すみません……!」  慌てて貴恵のグラスに袖をひっかけ あたりは水浸し。 「お嬢様、大事ございませんか?」 すかさず中川が貴恵の椅子を引き ナプキンをテーブルに広げた。 「わお、大惨事だ」  呪われたテーブルを横目に 僕は小声で呟き目を覆う。 これだけでも十分酷いのに 「みなさん、おはようございます」 このタイミングで現れた――。  「そう言えば乗ってたんだ……」 言わずと知れた 厄病神のトラブルメーカー。 「拓ちゃん……」 実の兄さえ不安げに眉をひそめる。 その彼が――。 「大変ですよ、もう聞きました?」 登場早々 声をひそめて何事か口走る。
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