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「あ、僕がお注ぎしますから」
見かねて手を出した満。
「――ちょっと何してるのよ!」
「ああ、すみません……!」
慌てて貴恵のグラスに袖をひっかけ
あたりは水浸し。
「お嬢様、大事ございませんか?」
すかさず中川が貴恵の椅子を引き
ナプキンをテーブルに広げた。
「わお、大惨事だ」
呪われたテーブルを横目に
僕は小声で呟き目を覆う。
これだけでも十分酷いのに
「みなさん、おはようございます」
このタイミングで現れた――。
「そう言えば乗ってたんだ……」
言わずと知れた
厄病神のトラブルメーカー。
「拓ちゃん……」
実の兄さえ不安げに眉をひそめる。
その彼が――。
「大変ですよ、もう聞きました?」
登場早々
声をひそめて何事か口走る。
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