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まったく関係のない話だと思った。
天宮家の朝食の席に長居は無用。
「ところで、昨夜はみなさん一体どうしてたんです?」
厄病神が参加している場合は特に。
「酔って、覚えてないんだ、分かったか?」
殺気立つ征司を横目に
エスプレッソだけ飲んだら
とりあえず席を立とう――心を決めた。
その時だ。
「それじゃお先に」
僕が立ち上がるのを見計らったように。
「お客様――少しお話を聞かせて頂きたいのですが」
「ぼ、僕?」
いかつい男。
警察ならぬ船の保安担当者が現れて
「ええ、あなたです」
とってつけたような笑顔で僕を見下ろす。
「いったい何の話……?」
意味が分かっていないのは僕だけなのか。
すでに事態を把握した顔して
まわりの乗船客たちは僕の様子を盗み見る。
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