episode 101 ブロンド美人

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「ねえ、それにしてもさ。ひとつ屋根の下にいるのに――あなた今回ばかりは僕に手を出してこないね。どうして?」 切ないと言われた顔を バスタオルで隠して――。 僕はいつもの調子で椎名さんに詰め寄る。 「いいんだよ、別に――むしろ今なら」 「やめてくれ。傷心の相手につけ込むのは趣味じゃないし、上げ膳据え膳っていうのはどうもね」 誘い込む僕の手を掴んで 「性に合わない?」 「ああ」 指先に落とされる 紳士的なキス。 「逃げる相手を追いたいんだ?根っからのハンターですね」 わざと明るく笑って 僕は肩をすくめて見せる。 「でもほら、見てごらん」 椎名さんは僕の頭をすっぽり覆っていたバスタオルを取り払うと 「今の君に迫られたら、さすがに僕も戴いてしまいたくなるね」 鏡の前に立たせる まっさらなブロンドの 新しい僕の姿――。
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