episode 101 ブロンド美人

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「ブロンドの君は――人工的で飼いならされたような、また違った色気がある。彼らに見せないのは惜しいけど、正直このまま誰の目にも触れさせたくないぐらいだ」 僕の背後に立ち バスローブの肩先を撫でながら 椎名さんは囁いた。 「僕、おいしそう?」 色素の抜けた髪を左右に揺らして 僕は食い入るように 鏡の中の自分を見つめた。 「ああ。バルテュスの描いた女の子みたいに」 「そんなに?」 「そうだよ」 鏡越しに視線を合わせながら 彼の饒舌な唇は 僕の首筋をそっとなぞってゆく。 「ン……」 ただでさえ音の響くバスルームで 椎名さんの鳴らすリップ音と 僕の掠れた吐息が重なる。 上げ膳は食わないと 宣言したばかりのくせに――。 「可愛いよ、ブロンドのおバカさん」 椎名さんの手は徐々に乱暴に 僕のバスローブの襟元を肌蹴けにかかる。
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