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(ついに…ついに、聞けるのか) 逸る胸を抑えながら旭はその扉を押した。 ぎぎぎと、軋む低い音を立てながらどうにか扉は開いた。 錆びているのか、歪んでいるのか。 わからないが、その扉は重くて力を入れないと開かなかった。 「………これか」 やっとの事で中に入る事が出来た旭は呟く。 更に奥に進み、例の鏡の前に立った。 その鏡は思っていた以上に大きくて、旭は息を呑んだ。 (ゴクリ) 思わず生唾を飲み込む。それにハッとしながら、旭は当初の目的を思い出す。 (鏡よ、鏡さん。で、いいんだっけ?) 何か、昔話にあるような言い方だけど、その方がしっくり来るからと旭は口を開く。 「鏡よ、鏡さん。聞きたい事がある」 シンとする室内。 旭の鼓動だけが聞こえる。 自分の姿が映る鏡を真っ直ぐに見詰めながら、旭は更に続けた。 「…弘喜は俺の子で合っているのだろうか?」
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