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その言葉を吐き出してから、旭はぐっと拳を作る。 そんな疑問を持った自分が、嫌だと何度も何度も思った。 だけど、拭えない思い。 弘喜は旭に全く似ていなかった。 それは別に気にしない。 しょうがないとすら思う。 遺伝なのだから。 それで、“母親に似ていれば”の話だ。 弘喜は旭にも、妻にも似ていなかったのだ。 旭は狐目で、卵型の顔をしている。 髪の毛は黒く、太かった。 旭の妻も、目がぱっちりしているわけではなく、二重だけど奥二重だ。 旭と同じ様に、髪の毛は黒く、細いわけでも、太いわけでもなかった。 だけど、弘喜は違った。 くりくりの瞳をして、髪の毛は薄茶色く、ふわふわしたパーマがかかったような細い髪。 最初は小さいからだと思っていた。 六歳になった今も、弘喜の髪の毛は薄茶色く、ふわふわしていた。 家族三人で写真を撮っても、どこか、違う風に見えてしまうのは何故だろうか。
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