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鏡の主の元へ訪れる者は、何か不安を持った人間ばかり。 感情など、なくしてしまえばいいのにとさえ思う。 感情などないと、鏡の主のように自由に、快適に暮らせる。 寂しいなどの感情もない。 だが、さっき旭に何故だか嘘を教えた。 理由はわからない。 天の邪鬼な事をしてみたかったのかもしれない。 鏡の中の主はまた暫く考えるのだろう。 やはり、摩訶不思議なものだ。 感情と言うものは。 鏡の中の主はぽつり、そう思うのだった。            Fin.
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