少年

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その少年は一人洋館へ訪れる。 木々が生い茂っていて、誰も手入れしている気配もなく、来訪者がいないこの洋館。 そこへ足を踏み入れた。 年は18歳。 幼い頃、両親が離婚してからは母親の元で生活している。 「…ケホ、コホ」 (埃が凄いなあ) その少年はそう思いながら、奥へと足を進める。 ギシギシと鳴る床が、どれだけ年期が入ってるかを物語っていた。 午後7時。 少し肌寒い今の季節は、その時間でも辺りは真っ暗闇に包まれている。 洋館の入口の扉を入ってすぐ左に、暖炉があった。 だけど、使われなくなってどれぐらい経ったのかわからない。 その上を埃が層になってるから、数年と言う単位ではないだろう。 何十年と、経っているのかもしれない。 その間に誰も訪れていないのだろうか。 少年はそんな疑問を持ちながら奥へと歩き進めた。 ギィと、重たい扉を開くとどこまでも続きそうな暗闇。 それを見て少年はごくりと生唾を飲み込む。 怖気づきそうになりながら、一歩前へと足を踏み出す。 懐中電灯で照らすも、それは深い闇に飲み込まれてしまいそうだった。
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