少年

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「うるせーーーーー!!!! 俺の、父親は、俺の父親はそいつじゃねえ! 母親と一緒に育ててくれた親父、ただ一人だ!」 『………』 「真実は、これだ、解ったか!鏡!」 『主の父親は、旭だと言うのか』 「そうだ、俺の父親は…旭、ただ一人だ」 『………』 キッと睨みつけて、弘喜はそう言うとバタバタと走って洋館から出て行った。 しんと静まり返るその場。 そこに残るのは、弘喜が鏡の主に投げつけた懐中電灯のみ。 鏡の主はそれを黙って見つめる。 以前、旭の子供は弘喜だと告げた鏡の主。 天の邪鬼の様な答えを出した主は、あれから何年もかけて理由を考えてみたが皆目見当もつかなかったのだ。 それが、例えば嘘だったとする。 旭に弘喜はその嘘で振り回され、離婚に辿り着き、離れる事になった。
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