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そして、俺はその夜近くの公園に充志を呼び出した。
昼間のうだるような熱気は落ち着いたものの、ムッとする暑さはまだまだ健在だった。
時折吹き込む夜風が、風呂上がりの肌に心地よかった。
「更科っ!」
呼ばれて振り返ると、時間差で何かが飛んできた。
炭酸水のペットボトルだ。
俺が最近ハマってよく飲んでいるメーカーのものだった。
「サンキュ。」
「お疲れっ!」
「お疲れさん。」
ペットボトル同士なので、乾杯してもポコっとした間抜けな音しかしなかった。
プシュっといい音をさせて蓋をあけ、勢いよく飲む。
「あーうめぇ!」
風呂上がりの渇いた喉が癒されていく。
充志はスポーツドリンクを、喉を鳴らして飲んでいる。
「ふー…」
「……」
さあっと夜風が頬を撫でて行った。
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