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「ゆーいの」
最近、兄がおかしい。
「何、ノックぐらいしてくれないかな」
今日も大学から帰って来て真っ先に私の部屋に入ってきた。
手には上質な紙袋。…またか。
「これ、お前のパサパサな髪質にぴったりな補修トリートメント」
「は」
がさつに投げられた紙袋から出てきたのは見たこともない高そうなトリートメントだった。
「美容家のキョーカさんに相談したらこれが良いって届けに来てくれて~」
なぜ美容家に知り合いがいるのか。ジーッと疑いの目を向けていると
「…聞いただけで指1本触れてないから、ふ~ちゃんに余計なこと言うなよ。な?マジで分かった?」
なぜか脅される意味の分からない状況に。あぁ元遊び相手か。
「別に。アンタのことなんか話題に出さないし」
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