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藤代君のスパルタ指導にちょっぴり心が折れそうにもなったけど、それでも頑張って作ったのは宮園様の為。
喜んでくれるかな、なんて考えながら作るのは楽しかった。
「お前も俺と同じだったんだな」
「宮園様も?」
「こんなスゴイ物貰って、喜ばねぇ訳ねぇだろ」
お世辞なんかじゃなく本気で言ってくれているのが、宮園様の表情で伝わってくる。
うん、だって俺も宮園様に貰えて嬉しかったし。
「ありがと、な」
珍しくお礼の言葉を述べた宮園様が、俺の口唇にチュッとキスをして。
「やっぱり、俺はお前がいい」
コツンと額を合わせ、幸せそうに笑った。
うん、俺も宮園様がいい。
宮園様じゃなきゃ、ダメなんだ。
それからベッドの中で着替えて、晩ご飯のおかずを温め直そうとベッドから降りる途中でふらついてしまい。
「何してんだ、お前は。座ってろ」
宮園様に呆れたように叱られ、俺はベッドに座ったまま結局ご飯の準備から皿洗いまで宮園様にやってもらった。
宮園様、優しいな。
俺が動けない原因は宮園様にあるんだけど。
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