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まぁ、その翼も女装するみたいだけど。
サッカー部の出し物の手伝いで白雪姫をやる事になったって言ってたし。
『振りだけでも翼以外のヤツとキスしたくない』と王子役の松森隼人にごねられたらしい。
もう二人、付き合ってるの隠す気無いよね。
「でも三世寺先輩は『可愛い』って言ってくれましたよ」
三世寺先輩の名前を出した途端、宮園様の眉がピクリとつり上がる。
「アイツに見せたのか?」
「見せたというか、衣装合わせしている時にたまたま巡回していた三世寺先輩と会って。まぁ、お世辞なのはバレバレですけど」
「アイツがお世辞なんか言うかよ」
被っていたバスタオルを床に投げ捨て、宮園様がジリジリと俺の方に近付いて来て。
「何で俺より先にアイツに見せてんだ」
俺の腕を掴んで引っ張り、バランスを崩した俺を支えるように抱き止めた。
何でって言われても答えようがないよな。
三世寺先輩に見られたのはホントたまたまなんだし。
「あの、すいません」
とりあえず俺が悪いのかと謝ると、宮園様が俺を抱き締める腕の力を強める。
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