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上から二つ目の机の椅子に腰かけながら、
見慣れた背表紙を着けた本を読む友人に話しかける。
「なぁマサ。
どうして俺は放課後に一人、
教室の掃除をしているんだと思う?」
その問いに、
マサこと崎本雅信(キシモトマサノブ)は本に栞を挟みパタンと閉じると、
「そりゃあ翔、
決まってるさ。
恭子先生にあんなこと言えば、
掃除ぐらいやらせたくなる」
そう言って、
メガネの縁を中指で押し上げた。
無機質なナイロール形メタルフレームに、
テンプルの色も黒と無機的かつ知的な印象を与えるそのメガネは、
まさにインテリメガネだ。
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