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俺は教室を見回した。
横8×縦5と規則的に並ぶ、
脚がパイプ管で出来た机と椅子。
美化委員の子が持ってきてくれた淡い紫の花(名前は分からない)が、
教卓の上に置かれた純白の花瓶から顔を覗かせている。
窓際にある白いカーテンは夕日に透け、
暖かなオレンジ色をしていた。
二年生へと進級して、
気がつけば既に半年以上が経っている。
この教室の景色には見慣れたが、
時の速さにはいつになっても慣れることは出来ない。
こんな調子では、
高校を卒業してしまうのもあっという間だろう。
「全く、
何考えてるんだか」
思わず、
そう自嘲した。
赤西翔(アカニシカケル)ともあろう者が、
放課後の教室でこんなにもしみったれたことを考えてしまうとは。
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