君こそがアガパンサス

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「あれは何ですか?」 「ねじ巻き式のオルゴールです。いい音色ですよ」 「……アガパンサス?」 私の言葉に店員さんは目を丸くしたあとで微笑んだ。 「よくご存じですね。これはトールペイントで描かれたものなので、作家さんがひとつひとつ手作りされている一点物なんです」 淡い紫が綺麗。 こげ茶色の木板によく映えている。 「……これにします」 直感のようなものを感じて、それを手にした。 運命ってこういうことをいうのかもしれない。
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