1 : ゼロの少女

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結局門限ぎりぎりでどうにか間に合った。 ママは私に能力の可能性がない事を知ってるけど、何にも言ってこなかった。まあ、ママもいい能力を持ってないから私の事も分かってくれてるのかもしれない。そっとしてくれるのは、ちょっとだけ嬉しかった。 「それよりロミ」 「何、ママ?」 リビングのソファに座ってたら、ママが声を掛けてきた。 「あなたに手紙が来てたんだけど……」 そう言って封筒を渡してくれた。白い封筒に、ただうちの住所と私の名前だけが書かれていて、差出人の名前はどこにもなかった。 ――誰からなんだろう? 疑問に思いながら、自分の部屋に移って封を開ける。中には便箋一枚だけ入ってた。文面はこう。
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