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「いててー、サラちゃん手加減してくれよなー」
今、レッドが居るのは360度校舎に囲まれた中庭。
サラによって窓から落とされたレッドは、よっ!と軽い声と共に立ち上がる。
レッドはあれだけの魔法を受けて、4階もの高さから落とされたにも関わらずピンピンしていた。
これがギャグキャラ補正とでもいうのであろうか……。
「あー、もう3年かー…」
ふと上を見上げれば、校舎と校舎の間から空が覗いていた。
今日は雲一つない快晴のようで、そこには真っ青の綺麗な空があった。
「もう…時間が無いなぁ……」
レッドの言葉は誰にも届くことない。
先ほどまでの馬鹿なテンションは消え去り、その瞳にはさみし気な色が浮かんでいた。
今の彼をこの国のものが見ればなんと思うだろう…?
何処かで頭を打った?変な物を食べた?
…いや、そんな事を思いつく前に本人かどうかを疑ってしまうだろう。
何時も元気で、他人の事なんて考えず、迷惑ばかりかけるような存在。
それが他から見たレッドの印象。
寂しい、辛い、儚げ…
そんな物を彼がもっているなんて思いもしない。
悩みすらあるのかすら怪しい…。
だが、それは彼が見せていたレッド・オウスという。彼の偽りの姿なのだ。
この物語はそんな彼の
途方もなく絶大で、彼だけしか知らない…
世界の命運をかけた悩みを抱いた。
たった1人の馬鹿が奮闘する物語。
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