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「フィーリアちゃんおはよー!」
いきなりの元気溢れる挨拶とともに1人の少女のスカートが翻る。
周りの男共が一斉に視線を向けるが、あと一歩及ばず少女は慌ててスカートを抑えた。
「おっとなだねぇー!黒なんて」
しかしスカートを翻した本人には見えていたようで、その言葉を聞いた男共がゴクリを唾を飲み込んだ。
フィーリアと呼ばれた少女は顔を真っ赤にし、目の前の男を睨みつけながら
「おはよう、レッド君。死になさいっ!」
そう言って右手をレッドと呼ばれた少年に向けると、フィーリアの掌から緑色の塊が現れ少年へと放たれた。
「うぉっ!あっぶねー!」
それを分かっていたかの様に少年は、今日までの幾度となる経験を活かしその魔法をかわした。
「メルちゃんもおはよ!」
フィーリアの隣を走り抜け、彼女と共に登校していたフィーリアより背の低い少女にも挨拶をするとそのまま学園まで走り去っていった。
その後、様々な処から女性の叫び声と男達の歓声が聞こえてくるのは、もう彼等この学園の者には当たり前の日常となっていた。
「あいつは、まったく!」
フィーリアが溜息を一つ零し隣の少女へと視線を戻した。
フィーリアのエメラルド色をした綺麗な瞳が少女を捉える。
その顔は同性の誰もが羨ましく思うほど美しく、少し幼さが残るものの10人が見れば10人とも美女と答えるくらい綺麗な顔つきをしていた。
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