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嘘がはびこった空き教室
触れたら崩れてしまいそうなガラス窓
ひびの入ったコンクリートの壁に
鋼の蔓はあちこちに巻きついて
鉛色の床の上 割られた鏡の欠片
“誰が割った、誰かが割った”
拾おうとした指先から流れるものは鮮血
欠片は何もうつさずに
ガラス窓の向こうを仰いで
けれど、みえたのは灰色の砂埃
血は欠片の上にも滴り落ちて
欠片はそれをゆっくりとはじき返し
床に 不格好な水たまりを描く
壊された砂時計の砂
両のてのひらですくい上げて
落ちていくその軌跡に 意味を見出そうとする
しかし いつまでたっても無表情な砂は
私を嘲笑うかの如く ゆっくりと舞い落ちた
虚数の向こう側 全てが屈折の織りなす歪んだ幻の世界
忘れ去られ 見出すことのできない解を
知っているのは 誰?
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