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足を前に出す度に尻の尻尾が揺れる。
まるで昔からこの身体だったかのように今の自分の身体を操ることが出来た。
黒「にゃー(神の力は便利だな)」
元の世界とは一風変わった世界を見ながら、俺こと黒井翔は只今絶賛散歩中である。
何処か自分の力を試せる場所は無いものか、と学園内を歩いていると何処からか美味しそうなご飯の匂いがして来た。
そういえばお腹がへったなぁ、と鼻をヒクヒクさせ匂いのする方へ足を進める。
匂いは校舎内からする様で俺は何のためらいも無く校内へ足を踏み入れた。
授業中でひと気の無い廊下を歩くこと数分、学食らしき場所に出た。
綺麗に掃除をされている室内を厨房のある場所まで一直線に歩く。
カウンターに飛び乗り厨房を覗くと、昼前で忙しいのか3人いる割烹着を着たおばちゃんがそれぞれべつの料理を物凄いスピードで仕込んでいた。
黒「にゃー(すげー、腕が何本も見える」
思わず口からでた鳴き声に、それに気づいた1人のおばちゃんが近寄って来た。
「あら、可愛い猫だこと」
そう言って調理していた魚を一匹皿に乗せ目の前に置いてくれた。
黒「にゃー(魚か、朝も食ったしなぁ)」
俺は魚から違うおばちゃんが調理している肉の塊に目を移す。
それにおばちゃんも気づき、ちょっと待っててね。と肉を調理していたおばちゃんに近寄って行った。
一言二言話をし、おばちゃんたちは肉を薄くスライスしたものを皿に盛り再び俺の前に持ってくる。
黒「にゃー(生か)」
今の俺なら多分大丈夫だろうが、気分的な問題で困る。
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