人間諦めが肝心と言うけど、結局は負け犬発言だと思う。

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突然強い光を放った魔法陣は徐々に収まっていき、そこには一匹の黒い猫が居た。 マ「猫?」 普通のそこら辺にいる猫と変わらないその姿に自信が魔力無しと言うことを再確認させられる。 周りで見ていた生徒達の中で、イフォルマ君が私を指差し笑う。 でも仕方ないのだ、私は魔力無しなのだから。 私はしゃがみ、目の前にいる猫さんに掌を差し出す。 マ「私はマリー・アルフォート、よかったら使い魔になってくれないかな?」 黒猫さんは私の顔をジッと見つめ、次に掌を見つめる。 断られたら、なんて考えてると黒猫さんが指先をペロッと舐め、2人?を光が包み込んだ。 今のは契約完了の合図。 思わず安堵の息をこぼしそうになり、 『契約は済んだ』 突如頭に響いたその声に思わずビクッとなる。 マ「猫さん?」 契約と言う言葉に目の前にいる猫さんに聞き返す。 ク『俺の名はクロ、よろしくなマリー』 また響いてきた声に、今度は目の前の猫さん、クロの声だと確信する。 なぜ魔力を持たない猫が念話を使えるのか、不思議に見つめているとクロは私の掌を伝い肩まで移動すると身を丸めてしまった。 なんだか質問の機会を逃したようで、私はしぶしぶとカナの処へ歩き出す。 周りの生徒達が小さな声で何かを言っている。 聞き取ることは出来なかったけど、ただの猫にしか見えないクロの事だろう。 私は何時もの事なので気にした様子を見せずに魔法陣を下りれた。 いや、もしかしたらクロが念話して来たことでただの猫では無いことがわかって嬉しかったのかもしれない。
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