人間諦めが肝心と言うけど、結局は負け犬発言だと思う。

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マ「いないね…」 あれから2時間くらい、私とカナはクロが居そうな所を探し回った。 結果はダメ。 中庭から屋上、最終的にはごみ溜め場所までいったがクロを見つけることは出来なかった。 カ「あー、これだけ探して居ないとなると園外に出ちゃってるかもね?」 園外と聞き私は途方にくれそうになる。 もしかしたらもうクロが帰ってくることは無いのでは無いだろうか…。 落ち込む私を元気付けようとカナが話を振ってくるが、私は生返事しか返すことが出来なかった。 「あー!やってらんねぇよ!」 何処からか男子生徒の叫び声が聞こえた。 「なんで遅刻したくらいで廊下の掃除なんて!大体この猫の足跡は何なんだ!めんどくせーっ!」 ”猫の足跡”そう聞こえた私はカナを見る。 カナも聞こえたのか私に一つ頷いてくれる。 マ「お願い」 小さな声で呟き、私達はモップ片手に廊下を掃除している赤い髪の色をした男子生徒に近づいていく。 マ「あの?」 「んぁ?」 此方を見て訝しげに睨みつけてくる男子生徒にに思わず怯んでしまう。 マ「え、えっと。猫の足跡って……?」 何とか声に出し、男子生徒に足跡の事を聞く。 「あぁ、これだよこれ!」 そう言って彼は足下を指差した。 其処には猫と思われる足跡が… マ「こ、この足跡どっちからありました??」 やっと見つけたクロへの手掛かりに思わず興奮して、男子生徒に迫ってしまう。 「っ??え、えーと食堂の方だったけど?」 マ「ありがとうございます!カナっ!」 私は男子生徒にお礼を言うと直ぐに走り出した。
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