人間諦めが肝心と言うけど、結局は負け犬発言だと思う。

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幸いにも食堂は昼時を過ぎていたため、利用している生徒数も少なかった。 私達は椅子やテーブルを迂回し、カウンターに辿り着く。 マ「おばちゃん!」 カウンターの奥にいるおばちゃんを呼び、猫の事を聞いてみた。 「あぁ、あの黒猫かい?最初に私が見つけてね、魚を出してみたんだけど…」 どうやらクロに会ったみたいだ。 私は心の中でガッツポーズをする。 マ「その黒猫、どっちに行きました?」 「ーーそしたら肉を、ん?あぁ、向こうの扉から出て行ったよ?」 おばちゃんが指差した方は私達が入って来た扉と真逆の方向。 其処にはもう一つの扉があった。 マ「ありがとうございます!」 だんだんとクロに近づいている。そんな気がしてたまらなかった。 カ「やっとかくれんぼも終わりの様ね」 扉の向こうに猫の足跡があり、カナの言葉にそうだねと返す。 足跡を辿って行くとどうやらクロは図書室に入った様で、私は思いっきり扉を開き中に入った。 扉を思いっきり開いたことで中に居た1人の生徒が此方を見てくる。 そしてその生徒の前に私が探していたクロが丸くなって寝ていた。 マ「よかった~!」 そのままクロの元まで歩き、寝ているクロを抱きしめる。 抱き上げたときにクロがビクッと震え、抱きしめた胸元から驚いた様子で私を見上げて来た。
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