人間諦めが肝心と言うけど、結局は負け犬発言だと思う。

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「にゃにゃ?」 クロが何事?と言うかの様に鳴きジタバタと慌てる。 マ「急にどっか行っちゃわないでよ?心配したでしょ?」 まるで私の言ったことがわかったかの様に暴れていたクロが大人しくなった。 クロの体温が伝わってくると、不思議と安心することができた。 私は落ち着きを取り戻し目の前にいる女の子を見る。 目を閉じたまま此方を見上げている女の子、歳はまだ中学生位に見えた。 白髪に瞳は閉じていてわからないが可愛らしい顔立ちをしている。 思わず見惚れてしまっていると女の子から話しかけてきた。 「あのっ!その猫ちゃん、触らして貰ってもいいですか?」 マ「え?」 惚けてしまってて反応が出来なかった。 胸の中からにゃーとクロが鳴きようやく現実へ戻れた様な気がした。 マ「うん、いいよ」 そう言うと女の子は相変わらず目をつむったままパァと笑顔になる。 そのままクロを受け取ると膝の上に置き優しく背中を撫でる。 「ふふ、あったかい」 小さく笑いクロを撫でる少女は、一瞬何故か悲しそうな顔をすると再び優しげな笑みを浮かべ 「ありがとうございました」 そういってクロを返してくれた。 少し気になりながらもクロを受け取る。 ネ「僕の名前、ネル・ケイスト・フランって言います」
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