人間諦めが肝心と言うけど、結局は負け犬発言だと思う。

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カ「まぁ、クロが他の使い魔とは少し違ってるのは当たりよね」 マ「え?」 カナの言った違いがわからずに下げていた頭をカナに向ける。 カ「だって、使い魔なら魔力の無いマリーが今まで召喚し続けられたこと事態、普通の使い魔とは違ってるじゃない?」 そういえば……。 当たり前の様にクロがいて今まで気づかなかった。 私の魔力は初級魔法すら使う事が出来ないほど無い。 そんな私が今日一日の半分以上もの時間クロを召喚し続けることは不可能なはず。 これは今日、レンディ先生も言っていた事で下手をすると命に関わると説明していた。 ネ「ますます不思議ですね、クロちゃん」 三人の顔がクロに向けられる。 クロはすでにご飯を食べ終え、前足で顔を洗っていた。 そして一度伸びをするとピョン、と床を蹴り窓の縁に登り窓の外を眺めて動きを止めた。 マ「あ」 其処で気がついた。 クロのいた場所、其処に猫の足跡がある。 昼にある生徒が愚痴を零しながら掃除していた、廊下にあったものと同じもの。 当然その足跡はクロのもので、クロが通った道を示すかの様に部屋中に広がっていた。 マ「クロ??あ、足跡??あーっ!絨毯にまで?」 突然大声をあげた私にクロは振り向き、私の言葉を理解してるのか自身の足を見る。 マ「うぅ……。クロ~、一緒にお風呂入ろっか……」 後で掃除しないといけないな~と思いながらテンション低く呟く。 後ろで2人が笑い、クロがにゃーと鳴いた。それがなんだか、ごめんと言っている様に聞こえたのは気のせいだろう。
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