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マ「クロは…ずっと、そばに居てね」
ポツリ、ポツリと涙と共に吐き出された言葉は、マリーの今までの人生を語っていた。
魔力が無いことで他人からも友人だった者からも遠ざけられた、マリーの心の叫び。
きっとマリーにはカナ以外に親しい人もいないのだろう。
親はどうなのだろうか?
自分の娘がこんなに苦しんでいる、それだけでもわかっているのだろうか。
娘のためにと自分達に出来ることを一生懸命になってやってるのだろうか?
それとも、血の繋がった親ですら敵なのだろうか?
ネルは?
今日一日過ごして居て、マリーはネルと楽しそうに笑っていたと思う。
それは悲しくも同じ魔力で苦しんでいる2人だからこそだろう。
魔力の無いマリーと魔力が多すぎたネル。
離れていて、離れ過ぎて近づいた2人はお互いを友達と思い合えるのだろうか?
……。
あぁ、ダメだな。
俺は…、どうしても
このシリアスと言う重い空気を耐える事が出来ないらしい。
女の子がこんな顔をしているんだ。
考えてばかりでそれが正解かもわからないのに、ただそばに居るだけなんて俺に出来るわけ無い。
なんていったって
俺は後先考えないで
勝手に惚れた女守って
勝手に死んだ男だったんだから。
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